VIVA! 四ノ宮
四ノ宮に来ると、いまだにどこか旅行にきた錯覚におちいる。
私の店から三条街道をぶらりと歩いて 7、8分で四ノ宮かいわいへ。
京阪電車では路面電車なみに近いひと駅です。
今まで誰も話題にしなかったことですが、そんなに近いのに
山科駅前周辺とは何かが違います。
諸羽神社の参道鳥居、四ノ宮のお地蔵さんの身近な風情はもちろんのことですが
車庫があり、線路が錯綜し広くなっている京阪四ノ宮や
ゆるい坂でカーブしている細い駅前通りが、旅先の情緒をかもしだします。
駅のすぐそこにせまっている、小さな疎水の山は美しく変化する陽光を
四ノ宮に照らします。
シャッターの降りた店や、何年も前に時間が止まったような店。
何軒かの立派なたたずまいの店とのコントラストも、見るものに
宙吊り感を与えます。
これといった観光資源などなく、感嘆し特筆する面目というのもないのですが、
<視たものをもう一度視る>
という不思議な感覚を味わえる街です。
街の面白さや意味は、日々の暮らしの中の感性に拠る。
そして「四ノ宮:しのみや」という美しい名称の語感。
山科の中では一番だろう。
私だけがそう思っているのかもしれませんから、決して期待されないように。
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